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ハーフエルフは、架空の種族エルフと、人間が結ばれて生まれた混血のことであり、神話伝承ファンタジー作品、テーブルトークRPGなどの異世界を舞台としたファンタジー作品に登場する。

J・R・R・トールキン指輪物語の成功による異種族エルフの一般化と、ハーフエルフを主人公としたドラゴンランスの成功を経て、ハーフエルフの存在はファンタジー作品ではごく一般的なものとなった。

概要[]

ハーフエルフはエルフと人間の混血である。エルフがどのような存在であるかは作品によって異なるが、ハーフエルフはどの作品でも、人間の活力とエルフの洗練を、不完全ではあるがそれぞれ受け継いでいる。現実世界においても「混血」に対する差別は存在するが、ハーフエルフも同様に、登場する作品中で人間、エルフの双方から差別的な扱いを受けることがしばしばある。

北欧神話[]

人間とエルフの混血児であるハーフエルフは北欧神話にも登場する。著名な例としては、『フロルフ・クラキのサガ』に登場するデンマークの王女スクルドが挙げられる。彼女の母であるエルフはデンマーク王ヘルギに強姦されて、彼女を生んだ。『シドレクス・サガ』の英雄ホグニは人間の女王とエルフの恋人との間に生まれたとされる。『トルステインのサガ』では、美しい容姿をもったアルフヘイムの王統がエルフの血を引くとされた。これらは異類婚姻譚の一種とみることができる。

指輪物語[]

今日のハーフエルフの原型は、J・R・R・トールキン作のファンタジー小説『指輪物語』(1954年)に登場する、エルロンドをはじめとする半エルフに多くを負っている。『指輪物語』の半エルフは種族として固定されたものではなく、エルロンドらはエルフと人間のいずれの運命を選ぶかの選択を行い、エルフの運命を選んだものは不死性を得ることとなった。

ダンジョンズ&ドラゴンズ[]

後発の作品のエルフは、トールキンの半神的なエルフとは異なる、より人間に近い種族になった。同様にハーフエルフもより人間に近い存在になり、種族のひとつとなる。1974年に発売されたテーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』 (D&D) シリーズでは、人間・エルフ・ドワーフなどの各種族に混じってハーフエルフが位置づけられている。

ドラゴンランス[]

『アドバンスド ダンジョンズ&ドラゴンズ(AD&D)(上級者向けD&D。サプリメントでは無く、別のゲーム)』に基づいて書かれ、1984年から出版が開始されたドラゴンランスシリーズでは、主役となるタニス(タンサラス)がハーフエルフである。ドラゴンランスにおけるハーフエルフは、人間とエルフの種族間での戦争の際に、人間の男がエルフの女を襲った結果生まれたものであり、人間からもエルフからも疎まれている種族であるとされている。

なお、AD&Dでのハーフエルフの設定は、エルフに一滴でも人間の血が混ざっていたらハーフエルフであり、人間の血が5割より濃いとルール的には人間となる。一方、当時のD&Dにはハーフエルフの設定は無く、交配が可能かも不明。

以降の展開[]

2006年現在、アメリカ合衆国及び日本においてD&D(AD&Dが名前を変えたもの。過去のD&Dは消滅)のサプリメント「宿命の種族」が刊行されている。ここでは人間とエルフの二つの要素を自分の中で融合させ、あるいは属する社会と反対の側の性質を強くあらわすことによって二つの社会の橋渡し役を果たそうとするハーフエルフの姿が描かれている。

ハーフエルフだけからなる共同体についても触れられており、一代限りの変異種に近かったハーフエルフが種族として固定された、あるいはされつつある状況が描写されている。

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フォーセリア世界[]

ソード・ワールドRPGロードス島戦記などの舞台であるフォーセリアでは、ハーフエルフは以下のように設定されている。

概要[]

フォーセリアにおけるハーフエルフは、人間に混じると多少華奢であることから、エルフに混じると人間に似て丸みを帯び、しかしわずかに尖っていて大きい、あるいはエルフと同じくロバのようだがやや短い耳を持つことから、それと分かる。寿命は200年程度と人間よりは長いが、1000年の寿命を持つとされるエルフ、無限の寿命を持つハイエルフには遠く及ばず、人間同様強く寿命を意識する存在である。フォーセリアには、耳と同時に黒い肌を受け継いだダークエルフとのハーフも存在している。

ソード・ワールドRPGにおいては、人間とエルフの長所を共に受け継ぐ存在として設定されている。エルフ譲りの高い知力を活かして魔術師や精霊使いになることが最良の道とされ、戦士として身を立てることは不可能ではないが筋力の低さから困難であるとされている。人間社会に育った場合、プリースト技能を取得することも可能であるため、司祭になるケースもままある。

フォーセリア社会におけるハーフエルフ[]

フォーセリアのハーフエルフはダークエルフなどの妖魔と異なりあからさまな排斥の対象でこそないものの(ただしダークエルフとのハーフはファンドリア以外ではダークエルフ同様に排斥の対象である)、多くは白眼視を受けて育ち、屈折した部分や影のある性格を持つことになる。ハーフエルフへの偏見はエルフ、人間いずれの社会にも存在するが、エルフ社会の方が格段に強く、ロードス島伝説RPGリプレイのティエルのようにあからさまな蔑視・迫害を受ける例が少なくない。このため、エルフ社会に育った多くのハーフエルフは森に留まるよりは人間社会で生活することを選ぶ。存在として稀なハーフエルフが冒険者に多く見られるのはこうした経緯によるものである。もっとも、迫害と縁なく育ったハーフエルフも多く見られる。

展開[]

1990年代初頭まではソード・ワールドでも屈折したハーフエルフの例が多かったが、スチャラカ冒険隊のアリシアンひいてはリプレイ第1部のGMにしてソード・ワールドRPGアドベンチャーの執筆者でもある山本弘の影響でかお気楽である、明朗快活であるなど従前のイメージとは異なる性格付けをされることも増えてゆき、1993年から1996年まで企画が展開されたソード・ワールドRPGアドベンチャーではハーフエルフの武闘家ボウイというキャラクターも登場した。近年では新ソード・ワールドRPGリプレイのマウナ・ガジュマ、新ソード・ワールドRPGリプレイNEXTのマロウのように社会的困難に直面しつつも明るさを失わないハーフエルフという、両者の折衷型といえる性格付けをなされたハーフエルフも現われている。

ハーフエルフと人間やエルフの交配について[]

ソード・ワールドRPGにおいては、ハーフエルフと人間、ハーフエルフとエルフの中間は存在しないことが明記されている。人間の血液型のA型とB型のように、ハーフエルフの子供は人間・エルフ・ハーフエルフのいずれかとなる。

初期の「ソードワールドRPGアドベンチャー」で山本弘は母親がハーフエルフであるサラサ・アディについて「エルフの血のせいか耳がやや長い」という描写を行い物議をかもしている。この一件は「サラサは耳の尖った人間」という形で決着し(「クォーターエルフは反則です。」という読者投稿イラストも当時ハガキ紹介ページで紹介された)、これが契機となってフォーセリアでも「クォーターエルフは誕生しない」ということが結論付けられた。『魔法戦士リウイ』においても、主人公リウイの母親はハーフエルフであるとされているが、リウイにエルフの血は見られない。

しかし作品によってはハーフエルフよりエルフの血の低い混血児が登場しているので「クォーターエルフが反則」というのは決して一般的な制約ではなく、個別作品内での設定に過ぎない。

テイルズ オブ シリーズ[]

アクションRPGテイルズオブシリーズのテイルズ オブ ファンタジアテイルズ オブ シンフォニア等のタイトルでは、エルフと人間の混血(第一世代のみ)としてハーフエルフが存在する。シリーズ中のエルフは魔法が使え、エルフと人間の混血であるハーフエルフも魔法が使えるが、『魔法が使える人間』として、人間からもエルフからも忌み嫌われている。 作中のハーフエルフの耳は尖耳か丸耳のいずれかで、どちらになるかは分からない。 また、エルフとハーフエルフは約1000年と非常に寿命が長く、青年期が長いのが特徴である。

テイルズ オブ シンフォニアの作中では、エルフは彗星デリス・カーラーンから地球へ移住してきた宇宙人で、全ての力の源マナを感じ取る力を持つ。 古代大戦において、地球上に存在していた2つの国シルヴァラントとテセアラの戦いを食い止めるために、ハーフエルフ(ミトス、マーテル、ユアン)と人間クラトスが活躍した。 後にミトスは英雄として語り継がれていくが、それは『クルシスの輝石』という装備者の身体を無機生命体に変える石を装備し天使となったミトスが、殺された姉であるマーテルを復活させるべく『天の機関クルシス』を結成し、話をねじ変えたため。またクルシスに所属するハーフエルフは自分たちを選ばれた種族と思いこみ、人間を「劣悪種」と見下している。

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