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2008年7月4日 (金) 18:58時点における最新版
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ファイナルファンタジータクティクス(Final Fantasy Tactics 、略称:FFT、エフエフティー、エフエフタクティクス)は1997年6月20日にスクウェア(現・スクウェア・エニックス)より発売されたプレイステーション用のシミュレーションRPG。ファイナルファンタジーシリーズの外伝的な作品に当たる。販売数約135万本。『ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争』というタイトルでプレイステーション・ポータブル用ソフトとしてリメイク版移植が2007年5月10日に発売されている。
テンプレート:ネタバレ
概要[]
ファイナルファンタジーシリーズ初のシミュレーションRPGである。製作スタッフにはクエストより移籍してきた松野泰巳(ディレクション・シナリオ担当)、吉田明彦(キャラクターデザイン担当)が参加しており、タクティクスオウガのシステムと、ファイナルファンタジー、III、Vの「ジョブチェンジ」が組み合わされている。
SRPGはそれまで「難解」「マニアック」とされてきたジャンルであったが、本作は徹底したチュートリアルとヘルプシステムを完備し、ランダムエンカウントによるキャラクターの育成が可能なこともあり、シミュレーションゲーム初心者にも受け入れられた。単なるキャラクターのレベルアップに留まらず、ジョブの育成、ジョブチェンジの組み合わせによる幅広い育成システムは好評を博し、プレイステーションのブームとの相乗効果にてシミュレーションRPGとしては異例の135万本を販売した。
ストーリー[]
主要キャラクターの殺戮が繰り返される血生臭いストーリーは、従来のFFシリーズとは趣向が異なるものである。また、FFシリーズの中でもストーリーが特に難解な作品であるとされている。
ストーリー概略[]
かつて、イヴァリースを二分して争われた後継者戦争「獅子戦争」は一人の無名の若者、ディリータという名の若き英雄の登場によって幕を閉じた…。
これはイヴァリースで暮らす者ならば誰もが知っている英雄譚ではあるが、歴史学者アラズラムが入手した『デュライ白書』によると、本当の英雄は歴史に名前が残っていない、名門ベオルブ家の末弟であるという。しかし、教会によれば神を冒涜し国家の秩序を乱した元凶そのものだと言う。
どちらが「真実」なのか?アラズラムと共にプレイヤーは「真実」を探求する旅へと出かける。
章構成[]
ストーリーは重要な事件を挟みながら4章に分けて展開される。
- プロローグ
- 獅子戦争の切っ掛けであるオヴェリア王女誘拐事件の舞台となったオーボンヌ修道院。王女の護衛の為にオーボンヌ修道院に出向いた北天騎士団の傭兵ラムザは、王女誘拐犯の中にかつての親友・ディリータの姿を目撃する。
- チャプター1 「持たざるもの(THE MEAGER)」
- オヴェリア王女の誘拐事件から時を遡る事一年、騎士の名門ベオルブ家の末弟であるラムザは、親友ディリータと共に王立仕官アカデミーに通っていた。当時のイヴァリースは五十年戦争の敗北により治安が乱れており、強盗や殺人が日常的に横行していた。
- チャプター2 「利用する者される者(THE MANIPULATOR&THE SUBSERVIENT)」
- ディリータと袂を分かつ事となったジークデン砦の戦いから一年、北天騎士団の一員から傭兵へと身を落としたラムザは、オヴェリア王女を連れ去ったディリータの真意を確かめるべく、王女奪還を目指す騎士アグリアスに同行を申し出る。
- チャプター3 「偽らざる者(THE VALIANT)」
- 獅子戦争勃発から3ヶ月、戦局は膠着し、領民達は物資不足と重税により疲弊し切っていた。伝説上の存在と思われていた聖石の力を目の当たりにしたラムザは、獅子戦争の背後に何者かの存在を感じ取り、それを兄ザルバッグに伝えるべく王都ルザリアを目指していた。
- チャプター4 「愛にすべてを(SOMEBODY TO LOVE)」
- イヴァリース全土に拡大した獅子戦争は、両陣営の決着を急ぐ動きから新たな局面を迎えようとしていた。一方ラムザは、リオファネス城の戦いを経て、妹アルマを連れ去った一人の神殿騎士が全ての黒幕であると確信する。
システム[]
本作はファイナルファンタジーシリーズでは珍しい、クォータービューの戦略シミュレーションRPGである。そのため、フィールドの探索よりも戦闘に重点が置かれている。
戦闘システム[]
戦闘は箱庭状の3次元的なマップで繰り広げられる。本作の戦闘システムはこれに時間を加えて4Dバトルと名づけられている。FFシリーズのアクティブタイムバトルに似たシステムを持っており、戦闘が始まると全ユニット一斉にスピードに応じてチャージタイム(CT)値が溜まっていく。最初に最大値の100になったキャラクターがアクティブターンとなり、キャラクターを移動させる「移動」と攻撃やキャラクターの持つアビリティを使用できる「行動」のコマンドを行うことができる。どちらか、もしくはどちらも行わずに「待機」することで次にCT値を若干キープしておくこともできる。そのキャラのアクティブターンが終了すると再び全キャラCT値が溜まりはじめる。この繰り返しで戦闘は進んでいく。あらかじめキャラクターがアクティブターンになる順番を確認することができ、これを活用して戦略を練ることが重要となる。
武器や技によって射程が違い、それも高さによって補正を受けるため、どの行為が使えるかといった判別が難しい。高さは移動にも制限をかけるため、計算的にどこまで移動できるか完全に把握しにくい。一部のアクションアビリティは行動決定から別キャラクターのターンを挟むほど時間を置いて発動するものもあり、これをチャージしているときに攻撃を受けると大ダメージは免れないため、相手の穴をつくような使い方が求められる。また、行動の予想ダメージ・回復量や命中率が攻撃前に表示されるため、それを元に最善の行動を探っていくことができる。
ダメージを受け、HPが0になると戦闘不能になる。キャラクターが戦闘不能になってから3回そのキャラクターに行動ターンが回ると、そのキャラはアビリティの継承かHPMPの全回復ができるクリスタル、もしくは装備アイテム(モンスターの場合は回復アイテム)の一つを入れた宝箱に変化する。こうなるとそのキャラクターは死亡(殺害)扱いになり二度と使用することができなくなる。主人公ラムザがこの状態になるとゲームオーバー。勝利条件に無関係なゲストキャラクターはこれに当てはまらない。逆に、勝利条件に関係あるゲストキャラクターは戦闘不能になるだけでゲームオーバーとなる。
キャラクターの能力[]
- HP/MP
- 本作には防御力の数値が無いため、HPは数値そのものがキャラの防御力を表している。ジョブによって大きく変化し、装備品によって上昇する割合が大きい。
- AT
- 攻撃力。物理ATと魔法ATがある。ジョブによって大きく変化する。
- EV
- 回避率。C-EV、S-EV、A-EVの3種類があり、それぞれに物理EVと魔法EVが設定されている。3種類のEVの総合値がそのキャラクターの回避率になり、リアクションアビリティに「装備武器ガード」がセットされていた場合は、装備している武器の回避率も加えられる。
- C-EVはそのキャラクターが元々持っている回避率。前方からの攻撃に対して適用される。ジョブによって大きく変化する。
- S-EVは装備している盾の回避率。前方と左右からの攻撃に対して適用される。「装備武器ガード」による装備武器の回避率も、前方と左右からの攻撃に対して適用される。盾を装備していない場合は0になる。
- A-EVは装備しているアクセサリー(マント)の回避率。前後左右からの攻撃に対して適用される。マントを装備していない場合は0になる。
- Speed
- スピード。この数値に応じて、戦闘中CTが溜まっていく。Speedが高いキャラクターほどCTが溜まるのが早く、結果、移動・行動できる回数が多くなる。ジョブによって大きく変化する。Speedが速い方が戦闘を有利に進めることができるが、Speedを上げ過ぎた状態で戦闘不能になった場合、カウントが速く減少するため、復活させるチャンスも少なくなってしまう
- Move・Jump
- キャラクターの移動能力を表す値。
- Moveは移動距離を、Jumpは段差を越える跳躍力を表す。Moveが高いほど一度の移動で遠くまで移動する事ができ、Jumpが高いほど乗り越えられる段差が高くなる。例えMoveの値が高くとも、Jumpの値が低いと、段差のある地点を回りこんで移動しなければならない場合もある。ジョブによって大きく変化し、靴を装備する事で高める事ができる。
- Brave・Faith
- キャラクターごとに存在する0~100で変化する個性の数値。
- Braveはキャラクターの勇気を表す。高いほど素手での攻撃力が上がり、一部アビリティの成功率がアップする。低すぎる場合は操作できず逃げ回るだけのチキン状態となり、またキャラクターが離反してしまうことがある。ただし、Braveが低いほどマップに落ちているレアアイテムを拾える可能性が高くなるため、レアアイテムを手に入れるにはBraveが低いキャラも必須である。
- Faithはキャラクターの信仰心の高さを表す。高いほど魔法攻撃力が高くなり、回復魔法での回復量も増えるが、同時に魔法によるダメージも増えてしまう。低い場合はその逆で、0になると魔法の効果は一切無効になる。高すぎる場合キャラクターが離反してしまうことがある。
- 星座
- キャラクターを守護している星座。星座間には相性があり、ダメージや回復量、コマンドの成功率などに補正(相性最高の場合は150%、相性が最低の場合は50%)がかかることがある。主人公のみ、最初のプレイヤーメイクで決める誕生日によって星座を決めることができる。
ユニット[]
本作では戦闘に参加するキャラクターをユニットと呼ぶ。ユニットには人間とモンスターの2種類が存在し、更に人間には男性ユニットと女性ユニットの分類がある。また、特定のユニットはそのユニット専用のジョブを持つ。専用ジョブを持たないユニットを特に「汎用ユニット」と呼び、固有のキャラクターとして物語に係わる事は少ない。逆に、ストーリー中で何らかの役割を担うキャラクターは専用ジョブを持っている事が多い。
- 除名
- 味方ユニットをパーティから離脱させる事。味方ユニットの上限は16名とされ、16名いる状態で新しく仲間を加える場合は既存のメンバーを除名しなければならない。尚、主人公のラムザとゲストユニットは除名する事はできない。
- ゲスト
- 操作できないNPCの味方ユニットを、本作ではゲストと呼ぶ。ディリータやアグリアス、ガフガリオンなど、主にラムザに同行する事でストーリーの本筋に係わるキャラクターはゲストユニットとして扱われる。装備やジョブ、アビリティの変更は可能だが、除名する事はできず、戦闘の参加非参加も自動で決定される(基本的にランダムエンカウントには出撃しない)。
ジョブ・アビリティシステム[]
本作では戦闘に登場する全てのユニットにジョブが設定されている。このジョブシステムは『FFV』の同システムを発展的に継承している。本作ではアビリティが「アクションアビリティ」「リアクションアビリティ」「サポートアビリティ」「ムーブアビリティ」の4つに整理されており、キャラクター1人につきジョブの固有アクションアビリティと4種類のアビリティを1つずつ装備することができる。
アビリティは戦闘中に行動することによって手に入るJP(ジョブポイント)を消費することによって習得できる。JPはジョブごとに蓄積されていき、JPが一定まで上がるとジョブレベルがアップし、それによりチェンジできるジョブが増えていく。 また、キャラクターがクリスタル化した場合にそのクリスタルを入手することでキャラクターが覚えているアビリティの一部を継承することができる。
本作に登場するジョブの詳細はファイナルファンタジータクティクスに登場するジョブを参照。
- アクションアビリティ
- 「行動」の際に使用するアビリティ。ユニットのジョブ固有のアクションアビリティの他に、今までの修得した他のジョブのアクションアビリティをセットする事ができる。
- リアクションアビリティ
- 特定のタイミングで自動的に効果を発揮するアビリティ。敵から攻撃を受けた時に武器攻撃で反撃する『カウンター』や、敵の攻撃を装備している武器で弾き返す『装備武器ガード』などがある。Braveの値がそのまま発動確率になっているものが多い。
- サポートアビリティ
- セットするだけで効果を発揮するアビリティ。『剣装備可能』の様な装備アイテムを増やすものや、『攻撃力Up』の様な能力を向上させるものなど、様々な種類がある。
- ムーブアビリティ
- 「移動」に係わるアビリティ。『Move+1』『Jump+1』の様に単純に移動能力を増すものや、歩くたびにHPが回復する『HP回復移動』などがある。
- ジョブ特性
- セットされているアビリティとは別に、そのジョブに元々備わっているアビリティ。例えば、『二刀流』のジョブ特性を持つ忍者はサポートアビリティの『二刀流』をセットせずとも2つの武器を装備できる。又、大抵のモンスターはジョブ特性として『カウンター』を備えており、ふわふわと浮いているモンスターは『浮遊移動』、飛んで移動するモンスターは『飛行移動』のジョブ特性を備えている。
モンスター[]
本作では、モンスターの種類もジョブとして扱われる。例えばチョコボの場合、そのユニットは「チョコボと言うジョブに就いている」ものとして扱われる。モンスターのユニットは人間ユニットの様にジョブチェンジやアイテムの装備が出来ず、新たにアビリティを修得する事も無い。最初から幾つかのアクションアビリティがセットされており、そのアビリティのみ使用できる(ジョブ特性として備えているアビリティは除く)。一定の条件を満たすと、一時的にアクションアビリティが増える。
戦士斡旋所[]
本作はゲームスタート時から男女各3名ずつのユニットが仲間になっているが、各町や城の戦士斡旋所でギルを払えば更に仲間を増やす(雇う)事ができる。雇う仲間は男性ユニットか女性ユニットかを選ぶ事が出来、男性ユニットは物理ATが、女性ユニットは魔法ATが高いのが特徴。尚、戦士斡旋所で仲間になるのは全て人間の汎用ユニットであり、専用ジョブを持つユニットを仲間にすることは出来ない。
儲け話[]
本作中に、ミニゲーム的要素として登場するのが儲け話である。儲け話は、各町や城の酒場で仕事を請け負い、自分のパーティの中から汎用ユニットを数名派遣、数日後に報酬を受け取ると言う流れになる。
請け負いまでの流れ[]
滞在した町の酒場で「儲け話を聞く」を選択すると、マスターからいくつかの仕事が呈示される。その際仕事の概要を確認できるが、ランダムでマスターから仕事に関するヒントが出されることがある。請け負う仕事を決定すると、派遣日数と派遣ユニットの選択画面になり、請け負ってから規定日数以上が経過すると仕事が終了する。また仕事をうける際にいくらかを支払う必要があるので、仕事の結果によっては赤字になる場合もある。規定日数以上が経過していないにも関わらず、派遣した汎用ユニットを戻したい場合は酒場に行けば呼び戻せる。ただしその場合儲け話は途中放棄となり、完遂することはできない。
完了と報告[]
仕事を終了すると請け負った町の酒場にユニットが戻っているので、そこで仕事の結果を聞くことができる。成功か失敗か、どのくらいの報酬があったのかなどを確認でき、またこのときに財宝(後述)の有無を知ることができる。戻ってきた汎用ユニットにはアビリティポイントが加算され、効率良くアビリティを成長させる際にも儲け話は利用される。仕事の成功失敗の条件は、必要ジョブ、必要レベルなど仕事によって違い、例えばアイテム士が必須ジョブの仕事にアイテム士のユニットが派遣されていれば成功となり、報酬金額も高く財宝も手に入れることができる。
財宝とは[]
財宝とは儲け話の後に手に入れることが出来るアイテムで、メニューから閲覧できる。ただし、普通のアイテムのように使用することは出来ない。財宝の中の本様のものは中を読むことによってノベルゲーム(選択肢によって結末が変わるなど)ができるようになる。また、財宝のほかにも仕事の結果として秘境を発見することもあり、財宝や秘境を多く発見することで、酒場の主人から「秘境ハンターLv1」などの称号が与えられる。
ブレイブストーリー[]
ブレイブストーリーはマップ画面のメニュー欄で確認する事ができる項目の一つ。それまでの冒険のイベントや人物、儲け話や入手した財宝などのあらゆる事柄が記録されている。又、人物の説明文はイベントが進むごとに最新の内容に更新されて行き、移動日数に伴い年齢も重ねていく。
『タクティクスオウガ』との類似[]
経緯が経緯だけに『タクティクスオウガ』と比較されることが多く、ゲームシステムも同作に類似している。しかし、実際のゲーム性はかなり異なっており、特に『タクティクスオウガ』は軍団編成指向でよほど強いキャラでも孤立が死を招くのに対し、『FFT』は基本的にRPG指向でキャラクター単独の能力が占める割合が大きい。また復活が容易なため戦況の見切りがしやすく、おとり戦術などをとれるのも相違点である。
設定・用語[]
国家[]
- イヴァリース
- 物語の舞台となる国。略称「畏国」。具体的な国土の面積は不明だが、十数日掛ければ徒歩で国を横断できる事から、然程大きな国ではない事が窺える。
なお、『ファイナルファンタジータクティクスアドバンス』、『FFXII』でも、本作と時間軸を共有した同様の世界「イヴァリース」で物語が展開される。イヴァリースでの物語ではないが、『ベイグラントストーリー』も、同じ世界の上で物語が構成されている節が見える。それらの関連についてはイヴァリースを参照。 - 本作の世界設定については当該リンクが詳しい。
- オルダリーア
- イヴァリースに隣接する東の大国。略称「鴎国」。五十年戦争の時は畏国に首都の近くまで攻め込まれている。
- ロマンダ
- イヴァリースの北西に位置する国。略称「呂国」。五十年戦争の時は鴎国に味方して参戦した。
戦争[]
- 五十年戦争
- イヴァリースとオルダリーアの間で起こった戦争。和平条約が結ばれたが事実上のイヴァリースの敗北となった。長く続いた戦争の結果、王家の力は弱まって獅子戦争の引き金となり、また恩賞が払われなかったために骸旅団(むくろりょだん)の様に戦争時の義勇軍が匪賊となる原因ともなった。ゲームの舞台は五十年戦争終結後のイヴァリースとなる。
- 戦争のモデルは百年戦争と見られる。
- 獅子戦争
- 五十年戦争の後に勃発したイヴァリースの内戦。名目上はオリナス王子とオヴェリア王女による王位継承を巡る内戦だが、実質的にはオリナスを総大将とするガリオンヌ領領主ラーグ公と、オヴェリアを総大将とするゼルテニア領領主ゴルターナ公による権力争いである。2人の公爵が共に獅子を家紋とすることから獅子戦争と名付けられた。五十年戦争の直後に勃発した獅子戦争は疲弊した平民に追い打ちをかけた。この戦乱を収め玉座に着いたディリータ王の話は英雄譚として後世まで語り継がれているが、『デュライ白書』では真の英雄は歴史には名を残さないラムザ・ベオルブだとしている。
- 戦争のモデルは薔薇戦争と見られる。
テンプレート:SpoilerH
- 実は獅子戦争は五十年戦争で低下したグレバドス教会の支配力を取り戻す為、教皇マリッジ・フューネラルV世の策謀により勃発したものである。五十年戦争で貴族と王室に対する平民階級の人民の信用と忠誠心・求心力は地に落ちており、それに畳み掛ける様に内戦を引き起こして両勢力の軍事力を削ぎ落とし、人民の貴族への不信に決定打を打った所で教会が両勢力の『仲介者』として間に入り戦争を終結させる。その後、太古に世界を救ったと伝承されている伝説の聖遺物「ゾディアックストーン(聖石)」で人心を獲得し、自分の思い通りになる王族を新しい最高権力者として据え置き、傀儡政権を誕生させ、その後ろに清廉潔白を装った教皇が陣取りイヴァリースを支配する。これが教皇の計画だったのだが、最終的にはディリータが『英雄王』として王座に着き、教皇の策謀は失敗に終わる。
テンプレート:SpoilerF
組織[]
- 北天騎士団
- ガリオンヌ領の領主ベストラルダ・ラーグ公爵が擁する、イヴァリース最強の騎士団。三百年の伝統を誇るガリオンヌの騎士の名門・ベオルブ家出身の騎士が代々団長を務める。特に近年の二代の団長、バルバネスとザルバッグは五十年戦争の英雄として名高い。
- 南天騎士団
- ゼルテニア領の領主ダクスマルダ・ゴルターナ公爵が擁する騎士団。その規模・戦力から北天騎士団と双璧を成すイヴァリース最強の騎士団とされる。現在の団長は「雷神シド」の異名を持つ五十年戦争の英雄シドルファス・オルランドゥ伯爵。
- なお、本編では登場しないが、東天騎士団も存在する(ガフガリオンのプロフィールの中でのみ登場)。
- 骸旅団
- 貴族に対しテロ行為を行っている革命集団。元々は"骸騎士団"という平民の義勇兵で結成された騎士団で、五十年戦争の末期には正規の騎士団と何ら変わりない働きをした。しかし、イヴァリースが五十年戦争に敗れ、ろくに恩賞が払われなかった事から、貴族が支配するイヴァリースを変えようとする革命集団となる。リーダーはウィーグラフ・フォルズ。
- 一般的には盗賊団と認識されており、事実、旅団員の中には盗賊さながらの行為を犯すものも少なくないなど決して一枚岩の組織ではない。
- ルザリア聖近衛騎士団
- アトカーシャ王家直属の近衛騎士団。アグリアス・オークスが所属している。
- バート商会
- 貿易都市ウォージリスを拠点に活動する貿易商。孤児院への寄付や橋の建設などで地元民からの評判が高いが、裏では阿片や奴隷の密売も行う犯罪組織。代表者はバート・ルードヴィッヒ。
- 黒羊騎士団
- ゼルテニアの貴族、グリムス男爵が組織している騎士団。ラムザと袂を別ったディリータがグリムス男爵の副官として所属している。ただしこれは大臣の発言などから察するに黒羊騎士団が壊滅し、当事者がいなくなったのをいい事にディリータが身分を詐称しなりすましている可能性がある。後にディリータを団長として再編成される。
- 亮目団
- 骸旅団と同様の、元騎士団の革命集団。農民を煽りゼルテニアで一揆を起こさせるなど、貴族に対するテロ行為を行っている。後のラムザとディリータの会話から、実際には教会が裏で操っていたものと思われる。作中では名前のみ登場。
- ライオネル聖印騎士団
- ライオネルのアルフォンス・ドラクロワ枢機卿及びその後を継いだブレモンダ・フリートベルク司祭が擁する騎士団。規模は不明だが、PSP版『獅子戦争』では50年戦争で活躍したと思しき記述も見られる。ベイオウーフ・カドモスはこの騎士団の元団長。現在の団長はアーレス・ローゼンハイム。
- カミュジャ
- フォボハムの領主バリンテン大公が、戦災孤児たちの中でも才能のある者を集め英才教育を施して作った暗殺集団。ラファやマラークらが所属していた。
グレバドス教会[]
神の御子「聖アジョラ」を主神とするイヴァリースの国教。かつては事実上国王以上の権力を誇っていたが、現在は五十年戦争の影響で支配力が低下している。
- 神殿騎士団
- グレバドス教会が独自の軍事力として擁する騎士団。騎士団員一人ひとりの錬度は正規の軍隊と比べても何ら遜色は無い。団長はヴォルマルフ・ティンジェル。
- ゲルモニーク聖典
- 金目当てに聖アジョラを密告し処刑させた裏切り者・聖アジョラの十三番目の使徒ゲルモニークが執筆したとされる書物。その中には聖アジョラの真実が記されているとされ、書物の存在は示唆されていたが、長年行方不明となっている。オーボンヌ修道院の院長シモンが地下書庫で発見したが、彼はその事実を隠蔽し、長い年月をかけて独自で解読していた。
ゾディアックブレイブストーリー[]
イヴァリースに古くから伝わる伝説。内容は遥か昔、イヴァリースがまだルザリア、ガリオンヌ、ゼルテニア、フォボハム、ランベリー、ライオネル、ミュロンドの7つの国に分かれていた頃、世界の覇権を狙うミュロンド王が魔界から召喚した「ルカヴィ」を、どこからとも無く現われた聖石を携えた十二名の勇者「ゾディアックブレイブ」が撃退すると言うもの。その後もイヴァリースが危機に瀕するたび、聖石を携えた勇者が現われたと言う。
ゾディアックブレイブの伝説には聖アジョラの伝説も含まれているため、イヴァリースの国教であるグレバドス教でも語られているが、一般的には御伽噺だとされており、余程敬虔でない限りグレバドス信者でも御伽噺と認識している(アグリアスなど)。
- ルカヴィ
- ゾディアックブレイブストーリーに登場する、強大な力を持った不死身の魔物。ルカヴィとは「悪魔」の意味。
- ゾディアックストーン(聖石)
- ゾディアックブレイブストーリーに登場する、十二名の勇者が携えた石。ルカヴィを凌ぐほどの「御力」が備わっているとされている。十二の石はそれぞれ黄道十二宮の星座を司っており、ゾディアックブレイブストーリーの名前の由来ともなっている。
- ゾディアックブレイブストーリーは一般的には御伽噺と認識されているが、近年、聖石と思われる石がイヴァリースで発見されている為、ゾディアックブレイブストーリーが事実であると言う見方も出始めている。
登場人物[]
テンプレート:Rellink
- ラムザ・べオルブ
- 本作の主人公。ラーグ公に仕える名門貴族・ベオルブ家の末弟。2人の優秀な兄に対してコンプレックスを持っている。優秀な兄弟とは腹違いだが、父バルバネスに良く似ていると言われる。
- ディリータ・ハイラル
- ラムザの親友。平民の出でありながら獅子戦争を終結させた英雄王とされる。
『獅子戦争』での変更点[]
基本的な内容はプレイステーション版に準じるが、移植に際して大小様々ないくつかの変更点が加えられている。主なものを以下に示す。
- 新規アイテム、たまねぎ剣士や暗黒騎士などの新ジョブや、『FFXII』のバルフレアや『FFTA2』のルッソなどの新キャラクター、新イベントなどが追加された。また、PS版でも登場したクラウドも仲間に出来る時期が早められている。
- タイトル画面で待った後に流れる概要ムービーがカットされた。
- ストーリーの要所要所ではセルシェーディングによって原画の微妙な筆遣いを再現したCGムービーが流れるようになった。
- PSP版ならではの新システムとしてプレイヤー同士での通信対戦や共同戦線が出来るようになった。
- 「最大雇用人数が24人まで増加」「リオファネス城のウィーグラフ戦が若干調整される」「源氏シリーズが入手可能になる」「『剛剣』が相手の装備状況に関係なくダメージを与えられるようになる」「『真言』『裏真言』の強化」など、オリジナル版の不満点が改善される修正を行った。
- ディープダンジョンへ出撃する際、「nogias」などのフォントが変更された。
- PSP版は通信の遅延対策の為か技のエフェクトの速度が遅くなっており、効果音や音楽なども元々PS用に設計されていたものを無理に移植したためか、「サンダーソウル」などの技はエフェクトの後に音が鳴ったり、算術で「ホーリー」を唱えると、PS版だとそれほど時間がかからなかったエフェクトがPSP版だと時間がかかったり、効果音はオリジナルと比較してただのチープな電子音のような物になっていたり、音楽もリバーブが切られている等、特にPS版をプレイした人間には際立って強い違和感を覚える箇所が多い(中には処理落ちとみなされることもあった)
備考[]
- 『FFVII』の主人公であるクラウドがゲスト出演する。同作品のエアリスも、名前、姿、初登場シーンともに同じであるが、別の人物として登場する。
- PS版発売当時はクエストの『タクティクスオウガ』にあまりにも似ているとして、他社のゲームデザイナーを移籍させて類似したゲームを制作させることが賛否両論の議論となったが、後にクエストのゲームソフト開発事業自体がスクウェアに譲渡されたため議論は立ち消えとなった。
- 本作はアスペクト社出版の攻略本(通称黒本)が誤字や明らかなミスが多い事で有名である。特に、不可能であるにも関わらず初版発行時に「エルムドアから源氏シリーズと正宗を盗める」と記述して(後の版では修正された)多くのプレイヤーを惑わした事で不評を買っている。
解説すると、エルムドアのジョブ『アークナイト』は、盗むやブレイクなどの装備品への攻撃を無効化するアビリティ「メンテナンス」をジョブの固有アビリティとして持っているため(ゲーム中には表示されない)、「盗む」が成功する確率は強制的に0%となる。この事から源氏シリーズは通常のプレイで入手することは不可能である。これは、エルムドアのBraveを0まで下げ「白羽取り」を無効化させた上でのことなので、まず間違いない。しかしこの攻略本や一部の雑誌では「表示は0%だが、実は小数点以下で判定が存在する」と記述していた。(正宗は敵忍者が投げてきたものをキャッチする事で入手可能、また、後のある作品の体験版に付属していたスクウェア作品のデータ集に全アイテム所持のものがある) - タクティクスオウガのファンとFFTのファンが、この作品の是非を巡りネット上で大論争になったことがある。これを受け企画者の松野泰己は渦中の電子掲示板でクエスト退社は自らの意志であると、スクウェアの引き抜き疑惑について自ら否定した。
- 従来のFFに比べ難所や強敵が多く、特に難しいのが第3章終盤のリオファネス城である。ここでは数回の連戦を行うことになるのだが、第2ステージのラムザとウィーグラフの一騎討ち、及びその後に続くベリアス戦は多くのユーザーが詰まってしまう難所で、勝てないと思っても途中でセーブをしてしまっているとレベル上げなどもできないので前にも後ろにも進めなくなってしまうことがある。他にも強力な敵ユニットは一般・ボス共に多く、例えば一般モンスターである「赤チョコボ」は回避不能の強力な攻撃を持っており、赤チョコボ1匹にこちらのユニット全てが駆逐されてしまうことも少なくないなど、SRPG経験者でも難易度的に十分楽しめる。
- 逆にFFシリーズで馴染みのあるレベル4フレア、レベル5デスを即席で作り出すアビリティ「算術」はバランスブレイカーとして有名である。プレイヤーが条件を自由に設定可能な上、MPを消費せず距離無制限で対象キャラ全てに魔法が行使できるので、戦闘開始直後に敵全体を強力な魔法で攻撃、もしくは状態変化魔法で無力化するなどしてしまえば敗北する事は殆どなくなってしまう。その他にも後半仲間になるシドの固有アビリティ「全剣技」と云ったゲームバランスを崩すファクターは複数存在する。これはSRPG初心者に対する救済措置だと思われるが、不満を漏らすユーザーもいる。
- 説明書やゲーム内で見られるキャラクターの描写は中世ヨーロッパの人物画をモデルにして描いてあるためか、後年のFFシリーズ作品に登場するような写実的な美男美女キャラクターとは一線を画している。
メインスタッフ[]
- 坂口博信 プロデューサー
- 松野泰己 ディレクター・脚本
- 伊藤裕之 ゲームデザイン
- 皆川裕史 アートディレクション
- 吉田明彦 キャラクターデザイン
- 崎元仁 コンポーザー
- 岩田匡治 コンポーザー
- 皆葉英夫 アーティスティックスーパーバイザー
関連項目[]
- ファイナルファンタジータクティクスの登場人物
- ファイナルファンタジータクティクスに登場するジョブ
- タクティクスオウガ
- ベイグラントストーリー
- ファイナルファンタジータクティクスアドバンス
- ファイナルファンタジーXII
- ファイナルファンタジーVII
- ファイナルファンタジーIX - スタッフが一部共通しており、アイテムの名称や地名などに共通のものが数多く見られる。ストーリーの関連性はない。
- クエスト
音楽[]
- ファイナルファンタジータクティクス オリジナルサウンドトラック
DISC1
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DISC2
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外部リンク[]
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