ゲーム情報ウィキ
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零〜zero〜ゼロ)は、テクモの「和風ホラーアクション」と銘打ったテレビゲームシリーズである。それまでのホラーゲームにはなかった牡丹灯篭のような世界観と幻想的なストーリー、ジャパニーズホラーのような湿っぽい恐怖感をかき立てる演出となっている。

概要

正式名称が公開される前に、「テクモプレイヤーズマグ」というテクモが配布している冊子などで「Project Zero」という名称で発表された。因みに、現在Project Zeroという名称はそのまま零シリーズを総括したプロジェクト名として使用されている。刻命館シリーズを手掛けたスタッフが関わったホラーゲームである。

操作方法やゲーム感覚は、アドベンチャーゲームとして有名な「バイオハザードシリーズ」に極めて近い(銃器や刀剣も無ければ戦う敵がゾンビである訳でもないが)。プレイヤーは武器を駆使して敵を撃退、あるいは逃走しつつ、鍵などのキーアイテムを集めながらマップを埋めていく。サブキャラクターの日記や古文書を集めながら、過去の惨劇(生きた人間の生贄を伴う何らかの儀式に起因することが多い)の秘密を解き明かしていくことも大きな目的となる。

この作品の独特の物として「射影機」と呼ばれるカメラが挙げられる。これはゲーム中で敵となって出現する怨霊に対して唯一にして最強の武器であり、「怨霊を撮影する」という手段によって彼らを封じ込めることが戦闘の目的となる。また、怨霊は無限に沸いてくるため、雑魚敵を一掃してからゆとりを持ってマップを探索するという手段を封じられる点も一つの特徴である。

世界観としては、同ジャンルのゲームである『バイオハザード』や『サイレントヒル』が洋画的なホラーであるのに対し、零は日本的な怪談である点が一つのセールスポイントである。さらに美少女ポリゴンキャラを得意とするテクモらしく、主人公がアニメ的な美少女達である事も特徴である。

北米ではFATAL FRAME(フェイタル・フレーム)シリーズとして発売されており人気も高く、北米で開発されたホラーFPSゲーム『F.E.A.R.』 に多大な影響を与えた。日本ではXbox版のみFATAL FRAMEの名前で1作目と2作目が発売している。PS2版にはないハッピーエンド的なエンディングが追加されている。

2004年夏、「零〜紅い蝶〜」を題材にした和風ホラーアトラクション「4D零」がとしまえん梅田ジョイポリスポルトヨーロッパで上映された。また、2004年8月より、携帯電話のカメラを利用したホラーゲーム「REAL〜零〜」のサービスが行われている。

2002年ドリームワークスが「FATAL FRAME」名で実写化することが発表された。その後全米で2005年11月公開を目指していたようだが、2024年現在未だ公開はされていない。

シリーズ

以下が日本で発売されている。

  • 零〜zero〜
    • 零〜zero〜 (PlayStation2、2001年12月13日発売)
    • 零〜zero〜 PlayStation 2 the Best (PlayStation2、2002年8月1日発売)
    • FATAL FRAME 零 SPECIAL EDITION (Xbox、2003年2月6日発売)
  • 零〜紅い蝶〜
    • 零〜紅い蝶〜 (PlayStation2、2003年11月27日発売)
    • 零〜紅い蝶〜 PlayStation 2 the Best (PlayStation2、2004年8月5日発売)
    • FATAL FRAME II: Crimson Butterfly (フェイタル・フレーム・ツー クリムゾン・バタフライ) (Xbox、2004年11月11日発売)
  • 零〜刺青の聲〜(北米ではFATAL FRAME III: The Tormented (フェイタル・フレーム・スリー ザ・トーメンテッド)
    • 零〜刺青の聲〜 (PlayStation2、2005年7月28日発売)
    • 零〜刺青の聲〜PlayStation 2 the Best (PlayStation2、2006年7月6日発売)
  • 零〜月蝕の仮面〜
    • 零〜月蝕の仮面〜 (Wii、2008年夏発売予定)

『刺青の聲』までの三作品は全て繋がっているが、使う射影機や主人公などは違っていたりする。

零シリーズ時代設定

零シリーズは、現時点で出ているzero、紅い蝶、刺青の聲の三作品が繋がっている。

登場人物のつながりなどが複雑なため混乱しやすいが、時間的流れとしては後述の通りzero→紅い蝶→刺青の聲となる(登場する霊が生きていた時代、つまりは儀式が失敗した年代は紅い蝶→zeroの順なのだが、主人公が事件に巻き込まれたのはzeroの方が先である)。

また、零シリーズは1986年の話となっている。その約2年後に刺青の聲の時代へ繋がるので、大体は86年あたりから89年あたりまでとなり、90年代ではない。

何年も前の設定となっているが、主人公達の服装などは現代風になっている。

ちなみに、攻略本などのスタッフインタビューによると、時代設定が80年代に決まった理由は携帯電話などが普及していない時代だから(外部と一切連絡の取れない孤独感を演出する意図があるようである)。

零〜刺青の聲〜の初回予約特典「History of "Project Zero"〜黒澤レポート〜」による公式設定では、零〜刺青の聲〜の発売された時点で、zeroは1986年、紅い蝶は1988年と発表されている。

また、深紅の年齢から計算すると、紅い蝶の事件と刺青の聲の事件はかなり短い間(少なくとも1年以内)に連続して起きたようである。

ちなみにゲームタイトルは、タイトルロゴ以外「刺青ノ聲」ではなく「刺青の聲」と表記されている。

作品解説

零〜zero〜

1986年9月26日、雛咲真冬は、取材中に行方不明となった恩人である作家の高峰準星の行方を捜すため氷室邸へやってくるが、彼もまた消息を絶ってしまう。真冬のたった一人の肉親である妹の深紅は、兄を捜して単身氷室邸を訪れる。兄の手がかりを探すうち、やがて屋敷の中を徘徊する霊たちに囲まれてしまう。逃げ惑う深紅の前に突如白い着物の女が現れ、彼女の体にそっと触れた。女が触れた後には縄のような痣が残っていた。それは女―霧絵―が屋敷を訪れる者にかける呪いだった。果たして深紅は死の呪いが成就する前に兄を探し出し、共に脱出することができるのだろうか?

登場人物

雛咲 深紅(ひなさき みく)(声:わくさわりか
本編主人公。年齢は17歳。生来より強い霊感を持ち、幽霊を見る、残留思念を読み取る等の事が出来る。しかし、その影響で唯一の肉親であり理解者でもある兄・真冬にしか心を開けないでいる。行方が分からなくなった兄を追い、氷室邸にたどり着く。しかし、屋敷から出られなくなり、氷室邸内で発見した形見の射影機を使い、霊と対峙する事に。
雛咲 真冬(ひなさき まふゆ)(声:金丸淳一
本編主人公である深紅の兄。深紅同様強い霊感を持っている。ジャーナリスト。仕事の恩人である高峰準星の消息を追い、氷室邸にたどり着く。自殺した母・深雪から受け継いだ射影機を使い、霊に対抗するが、強大な怨霊を前に、高峰と同じく屋敷に捕らわれる。
雛咲 深雪(ひなさき みゆき)
真冬、深紅の母親。強い霊感を所持しており、二人が霊感を所持しているのは母譲り。自らの霊感と射影機の力に耐え切れず、自殺する。
高峰 準星(たかみね じゅんせい)
ミステリーやノンフィクションなどを多く手がける有名作家。次回作の取材のために助手の平坂巴、編集者の緒方浩二を連れ氷室邸を訪れるが、怨霊によって氷室邸に捕らわれる。霊感はほとんどないと思われるが、それでも氷室邸の真実解明まであと一歩のところまで迫るなど、柔軟な思考と聡明さを併せ持った好人物。
緒方 浩二(おがた こうじ)
高峰準星が手がけていた雑誌の担当編集者。霊感は所持していない。自らの取材も兼ね、高峰に同行するが共に怨霊に捕らわれる事に。
平坂 巴(ひらさか ともえ)
高峰準星の助手でパートナー。わずかながらに霊感を持っており、氷室邸から嫌な予感を感じ取っていたが、高峰の取材をふいにするわけにもいかず同行する。そのため高峰達と共に怨霊に捕らわれる事になる。
霧絵(きりえ)
氷室邸を訪れた人々の前に現れる霊。過去に氷室邸で行われていた儀式の中で「縄の巫女」と呼ばれていた女性のようであるが…。テンプレート:SpoilerH縄の巫女。裂き縄の儀式の生け贄の者であり、最後の儀式の生け贄の者。しかし儀式は失敗し、怨霊となって屋敷に来た人に同じ思いを味合わせようと屋敷に来た人の四肢を引きちぎる(正確には自分と同じ苦しみを味合わせようとしている為)。霧絵の代では巫女の掟が緩く、座敷牢を自由に出入り出来た為、屋敷に来た男性を愛してしまった。儀式の際にこの男性への未練が起因となり、儀式失敗へと至った。なお、子供の霧絵の霊は彼女の良心が分離した存在であり、暴走している自分を止めて貰いたい彼女は、深紅が行き詰った所で度々助言をしている。テンプレート:SpoilerF

零〜紅い蝶〜

双子の姉妹である、天倉繭と天倉澪は、昔住んでいた故郷に近い沢にやってきた。この沢のある辺りはもうすぐダムの底に沈んでしまう為、最後にもう一度見ておきたいと思ったのだ。だが幼い頃よく遊んだこの沢には苦い思い出もあった。かつて姉の繭はこの沢のある山道で足を滑らせ転落、大怪我を負ってしまった事があるのだ。妹の澪が回想しているとそばにいたはずの繭がいなくなってしまった。澪が辺りを見回すと、繭が紅く輝く蝶に導かれるように林の中へ入っていく。澪が慌てて追いかけるも、二人は地図から消えた村、皆神村(みなかみむら)に閉じ込められてしまう。果たして二人とも無事にこの村から脱出できるのだろうか? それとも村の言い伝え通り、一人だけが生き残るのだろうか…。

登場人物

天倉 澪(あまくら みお)(声:神田朱未
本編主人公。明るく活発な性格。姉の繭ほど霊感は強くないが、双子の血故か繭を通して奇妙なビジョンを見ることがある。紅い蝶に誘われた繭の後を追い皆神村に迷い込む。その途中村の廃屋で発見した射影機を使い、繭と村からの脱出を試みる。幼少時の繭が怪我をした事件を自分の責任だと気に病み、いつも繭を守るように思っている。テンプレート:SpoilerH「紅い蝶」EDでは繭を絞殺し、心に深い傷を受ける。「虚」EDでは繭と共に脱出出来たものの、虚に落ちかける繭を救うため虚(決して覗いてはならないと伝えられる)の中を覗いてしまい、失明してしまう。XBOX版ベリーハードにのみ収録された「約束」EDでは、繭と共に無事に村を脱出する。作中説明される事はないが、OPで森の中に入り、消えた村の前で泣いている紗重の姉(八重)を見た際、この時点で澪は八重に憑依されている。
天倉 繭(あまくら まゆ)(声:川澄綾子
本編主人公である澪の双子の姉。妹の澪とは逆に控えめで大人しい性格。強い霊感を持っており、本編内でもプレイヤー(澪)は繭の視線を通して幾度か奇妙なビジョンを見る。しかし、霊に対する耐性を持っていないため、とりこまれ易い。小さい頃澪と山に入った際、山道の斜面を滑り落ちて右足を怪我してしまう。その後遺症で速く走ることができず、澪が一人で走るとついていけなくなる。テンプレート:SpoilerH難易度HARDで行われる真のラスボス戦時、BGMとして『繭の告白』という繭の台詞が流れる。それによると繭は幼少時の事故により、澪が自責の念を抱き繭を常に気にかけている事で澪が側にいてくれる事を、密かに心の底で嬉しく思っていた事が明かされる。崖からの転落は繭が澪を縛るため意図的に行ったものではなく、零のファンブックである「恐怖ファンブック怨霊の刻(以下FB)」での柴田ディレクターによると『繭が崖から落ちたのは、衝動的なものだった。澪にあてつけて落ちたわけではなく、澪と離れる未来に悲観して自ら飛び降りたのだ。それは自殺にも等しい事だった。」とあり澪に対し何かをしようという気はなかった。「紅い蝶ED」では澪に絞殺される。何故澪と繭は儀式を行ったのか等キャラの心情が説明不足であったが、FBによると紗重に憑依されていた繭は「姉(八重)の手にかかる事で一つになりたい」という紗重の想いと同化し、澪もまた繭に憑依していた八重の「紗重の想いを受け入れる」という想いに同化し、「繭の想い(澪に殺される事で一つになりたいという想い)を受け入れる」決心をしたとあり、儀式は互いの合意の上で行われたというのが公式の見解である。「虚ED」では目に包帯を巻いた澪を見つめながら微笑む繭という図がある。この笑みには「これから澪を助けていこうという優しい微笑み」「所有欲を満たした笑み」等様々に解釈できる笑みに設定されているとの事である。

テンプレート:SpoilerF

天倉 操(あまくら みさお)
繭、澪の父親。設定のみ存在し、本編では名前すら出てきていない。二人が小さい頃山へ入り、繭が右足を怪我し動けなくなったとき、捜索に出たがそのまま行方不明になったとされている。天倉家に婿入りしており、旧姓は麻生。「射影機」や「霊石ラジオ」の発明者である麻生邦彦(あそう くにひこ)の血縁者である。
天倉 静(あまくら しず)
繭と澪の母親。天倉操同様本編には出てきていない。操が行方不明にになってしばらくしてから二人を連れ、地方を後にし、都会へと移り住んだ。三作目の「零〜刺青の聲〜」に登場する天倉螢は彼女の弟にあたる。
黒澤 紗重(くろさわ さえ)
黒澤八重の双子の妹。繭と同じくおとなしい性格で体が弱い。姉・八重の側にいる事を願う。姉の八重と共に皆神村から逃げようとするが、村人に捕まり、結果一人で儀式を行うことになった。村民を一挙に虐殺し村を闇の中へ消滅させた大償(おおつぐない)を引き起こした張本人。怨霊名・血塗れの着物の女テンプレート:SpoilerH紅贄祭の直前に、立花樹月の立案により、宗方良蔵と共に姉の八重と村から脱出を試みるが、途中で山道から転落してしまう。村人に捕まったのはその為。紅贄祭の儀式は、双子が揃って行わなければ失敗になる為、大償(おおつぐない)を引き起こしたというのはある程度必然の事象と思われる。黒澤家の屋敷で狂笑しており、精神が崩壊しているかのように描かれている。これは、八重が自分を置いて逃亡してしまった事と、好意をよせていた立花樹月が自殺した事が原因と考えられる。ちなみに、皆神村では双子が生まれた際に「後から出てきた方が兄・姉」とされており、「先に出てきた方が兄・姉」とする現代であれば、紗重の方が姉になる。「紅い蝶ED」では澪(八重)により儀式を完遂させ蝶となる。「虚ED」では一人で虚の中へと転落していく。XBOX版に収録されている「約束ED」では、迎えに来た八重と共に虚へと身を投げ、二人でひとつの蝶となり救われる。テンプレート:SpoilerF
黒澤 八重(くろさわ やえ)
黒澤紗重の双子の姉。澪と同じく活発な性格で、妹・紗重を何よりも護ろうとする。皆神村唯一の生存者であるが、村が消えたショックで記憶喪失になり、それまでの明るい性格にも影が差すようになった。一作目の「零〜zero〜」にも登場しており、雛咲家と過去の事件の因縁に関わる人物でもある。テンプレート:SpoilerH紅贄祭の直前に、立花樹月の立案により、宗方良蔵と共に妹の紗重と村から脱出を試みている。逃亡途中で紗重が山道から転落したことではぐれてしまい、その後森で迷いながらも紗重を捜しに村に戻ろうとしたが、村の入口へ戻った時には既に大償で村は消滅していた。大切な妹と故郷を失ったショックで記憶を失い、宗方と共に生活するようになる。後年、一家で氷室邸に移り住み…テンプレート:SpoilerF
黒澤 良寛(くろさわ りょうかん)
紗重、八重の父親。村の代表者として皆神村の祭りの全てを取り仕切る立場にある祭主と呼ばれる人物。妻や娘達に対する愛情は失っていないが、村を護るためならば非情な選択もやむを得ないと考えていた。彼自身、過去の祭りで弟を失っている。怨霊名・黒澤家当主テンプレート:SpoilerH八重と紗重の前に樹月と睦月の儀式をさせたのは出来る事なら娘達に自分と同じ思いをさせたくなかったから。そこから考えるに娘に対する愛情はかなりあった模様。テンプレート:SpoilerF
立花 樹月(たちばな いつき)(声:保志総一朗
皆神村の蔵に幽閉させられていた白髪の少年。皆神村内で行き先が知れなくなった繭を捜し求めていた澪にさまざまなヒントを与える。澪の事を「八重」と呼ぶ。テンプレート:SpoilerH八重と紗重が行う筈だった儀式の1年前、祭りの犠牲となった『双子御子』の片割れ。
儀式は行われたが、弟である睦月を思う気持ちが強過ぎて儀式を成功させる事が出来なかった。白髪になったのはこの時のショックから。
この儀式が成功しなかった為、八重と紗重に鉢が回ってきた。
生前の睦月と共に八重と紗重を紅贄祭の犠牲にする事は出来ないと考え、彼の死後も約束を守る為に二人を村から逃亡させようと試みる。宗方は樹月の事も迎えに来るつもりであったが、樹月はこれを断った。
巫女の逃亡を助けたことで蔵に閉じ込められる事となった。
作中で蔵に居る樹月は霊となっているが、死因は大償(おおつぐない)では無く、蔵内部で首を吊った事による自殺。
八重と紗重が村を出たことで役目を終えたと思い、二人が逃げ切れたことを確認せずに命を絶ってしまった。テンプレート:SpoilerF
立花 睦月(たちばな むつき)
立花樹月の双子の弟。本編では登場しないが、樹月は幾度か彼に許しを請う発言をしている。樹月と違い、黒髪。なお、もともとは樹月も黒髪である。体が弱かったらしい
立花 千歳(たちばな ちとせ)(声:米本千珠
樹月、睦月の妹。生まれつき弱視であり、離れてもすぐ見つけられるようにと兄から鈴を貰った。そのため、彼女が現れたときには鈴の音がする。八重と紗重のことを激しく怨んでおり、澪に襲い掛かってくる。怨霊名・紅い着物の少女テンプレート:SpoilerH兄の樹月が蔵に閉じ込められ自殺したのは、八重と紗重が逃亡をはかったからと考えている。
幼少時から、家族以外との接触を恐がり、よく押入れに隠れていたらしい。さらに弱視の為、外に出る事も少なかったようだ。その設定の為か、肌が色白。
作中では、樹月と同じく澪を八重だと思い込み攻撃してくる。攻撃時には「お兄ちゃんを返せ!」と叫ぶ。また、攻撃時には、泣き叫ぶ事によって、周囲の光を消してしまうという能力を持つが、自分自身が弱視である為、暗くなっている間は泣きながら逃げ回っている。テンプレート:SpoilerF
真壁 清次郎(まかべ せいじろう)
様々な伝承などを調べ歩いている民俗学者。「黄泉の門」と呼ばれるものを求め、皆神村に助手の宗方良蔵と共に立ち入るが、それ以降、村は地図から消えている。生前の麻生邦彦と親交があり、調査のため射影機を含む幾つかの「ありえないもの」をとらえる機械を皆神村に持ち込んだ。テンプレート:SpoilerH作中に登場する「」の正体。「縄の男」とも呼ばれる。
陰祭(かげまつり)と呼ばれる、紅贄祭の代替行事の犠牲となった。
大償(おおつぐない)が発生した時に、村から脱出しようとした村人を虐殺。紗重と共に登場するが、関係は不明。テンプレート:SpoilerF
宗方 良蔵(むなかた りょうぞう)
真壁清次郎の助手。樹月、睦月とは親友であり、樹月からとある事を頼まれ、真壁と共に皆神村に立ち入る。師の言葉に従い一度は皆神村を去るが、樹月との約束のため再び村を訪れる。しかし、その時にはすでに村は消え去っており、その入り口だった筈の場所に唯一の生き残りとなった記憶を失った八重が佇んでいるだけだった。一作目の「零〜zero〜」では、過去に氷室邸に住み込んで調査を行った民俗学者として登場しており、二つの作品間のつながりを示す人物でもある。
桐生 茜(きりゅう あかね)
桐生薊の双子の姉。八重・紗重の時代よりもさらに昔の祭りに参加した人物であり、当時既に故人であった。今でも魂は桐生家内で彷徨っている。生前、祭りにより気を病んでしまっている。怨霊名・双子少女の霊
桐生 薊(きりゅう あざみ)
桐生茜の双子の妹。姉・茜と同じくすでに故人であり、本編内には彼女の霊も出現するが、それとは別に躯(むくろ)と呼ばれる心を持った人形の薊が登場する。茜の霊と共に行動しているのは人形の薊である。怨霊名・双子少女の人形
桐生 善達(きりゅう よしたつ)
茜、薊の父親。からくり師。皆神村の各所に存在する仕掛けは彼が作り出したものである。また、仕掛け以外でも多数の人形を作っている。娘達同様すでに故人となっており、彼の代で桐生家は断絶している。怨霊名・からくり師
槙村 真澄(まきむら ますみ)
ダム建設にともない皆神村周辺を調べにきた調査員。作業中誤って皆神村に迷い込む。彼を探しにきた恋人・須藤美也子と共に村脱出を試みるが、怨霊により惨殺される。怨霊名・切り刻まれた男
須堂 美也子(すどう みやこ)
槙村真澄の恋人。行方不明となった槙村を探す途中、皆神村に迷い込む。槙村と皆神村で再会することは出来たものの、後に怨霊化した槙村に殺され、自身も怨霊と化すことになる。主人公である澪が最初に退治する怨霊である。怨霊名・迷い込んだ女

主題歌

  • 蝶 - 作詞・作曲・歌:天野月子 編曲:戸倉弘智

零〜刺青の聲〜

写真家を生業としている黒澤怜は、ある日幽霊屋敷と噂される日本家屋の取材を依頼される。そこで彼女はある筈のない影を見る。現像した写真には、二月も前に死んだ筈の婚約者・麻生優雨の姿が写っていた。その日から怜は悪夢を見るようになる。増築を重ねた末にうち捨てられ廃墟と化した日本家屋、その屋敷の中を徘徊する霊…。その悪夢の屋敷の中で悪霊に追立てられ、捕えられたところで怜は夢から覚める。いつの間にか怜の体には、刺青にも似た青い痣が浮かび上がっていた。その痣は激しい痛みを伴い、彼女を苛む。怜の心に生まれた謎は、怜の助手の雛咲深紅や優雨の知人・天倉螢をも巻き込み広がっていく。そして現実の世界にもその恐怖は侵食していく。果たして怜が見る夢の真相は?そして、あの世から聞こえる優雨の“聲”は彼女に届くのだろうか…。

登場人物

黒澤 怜(くろさわ れい)(声:皆川純子
本編主人公。23歳のフリーカメラマン。撮影に訪れた幽霊屋敷内で白昼夢を見て以来、眠りの家の悪夢にとらわれるようになる。過去に自らの運転する車で起こした事故により、婚約者・麻生優雨を亡くしている。自分だけが生き残ってしまったという心の傷に苦悩し、今でも自責の念にとらわれている。仕事で多忙なのはそれを忘れるためでもある。黒澤の姓を名乗るが、過去作に登場した黒澤一族との関係は不明。右の目元に泣き黒子があるが、刺青の巫女こと久世零華にも同じ位置に黒子がある。
雛咲 深紅(ひなさき みく)(声:わくさわりか
一作目「零〜zero〜」の主人公で、年齢は19歳。現在は黒澤怜のアシスタントを勤めており、家事全般は彼女が行っている。怜の影響を受けて夢の中で兄・真冬の姿を見るようになり、眠りの家の悪夢にとらわれていく。それをきっかけとして、零〜zero〜の事件以降失われていた霊感が復活する。非常に強い霊力を保有するため撮影時の攻撃力が高いが、反面怨霊の攻撃に対しては打たれ弱いという弱点を同時にもつ。また体が小さいため、怜や螢では侵入できない床下のような狭い空間を調査することが可能。
天倉 螢(あまくら けい)(声:織田優成
26歳の若手ノンフィクション作家。二作目の「零〜紅い蝶〜」の主人公であるの叔父。夢にとらわれるようになった姪の澪を救うため、眠りの家を調べるが、自らもその悪夢にとらわれるようになってしまう。生前の麻生優雨、そして深紅の兄・雛咲真冬とは仕事仲間だった。リアリストであり、本来心霊現象には懐疑的である。そのせいか怜や深紅と比べて霊感が弱く、射影機による戦闘は不向きである。その代わり、「物陰に隠れて怨霊をやり過ごす」という螢独自のアクションが用意されている。また身体能力に優れており、重い障害物を退ける、離れた足場へ跳び移るといった行動が可能。髪を梳かす女こと久世鏡華の想い人・秋人に風貌が瓜二つであり、眠りの家では幾度となく彼女に付き纏われる羽目になる。
麻生 優雨(あそう ゆう) (声:黒田崇矢
黒澤怜の婚約者。故人。怜の運転していた車に乗っていて事故に遭い他界。生前、天倉螢や雛咲真冬らと交流があった。射影機の開発者・麻生博士の子孫であり、麻生博士と射影機に関する書物が屋根裏部屋に保管されている。
久世 零華(くぜ れいか)(声:皆川純子(二役))
かつて“眠りの家”久世家で行われていた儀式・戒ノ儀の失敗により怨霊化した巫女。体中に刺青が刻み込まれている。本来は儀式の総締めである久世家近隣の集落で暮らす普通の娘だったが、身寄りを失くして久世家先代当主の久世夜舟に縁者と死に別れた人々を慰める刺青の巫女として引き取られた。旧姓は雪代。そのうち夜舟の孫・乙月要と愛し合うようになるが儀式の日に要が殺害される姿を目の当たりにし、悲しみと絶望に囚われた彼女は最悪の禁忌破戒(はがい)を引き起こして久世屋敷を久遠の眠りに閉ざした。今でも要の悲惨な最期に囚われ、「もう見たくない」「眠らせて」と怜に自身の苦痛を訴えている。怨霊名・刺青の巫女
久世 鏡華(くぜ きょうか)
夜舟の実の娘で要の母。女系である久世家は子孫を残す為に外部からマレビトの男性を招いて血を繋いでいた(そしてその際に招かれた男性は用済みとして殺される)。しかし生まれた子供が男児だった場合は掟により4歳の時点で流され(殺され)てしまう運命にあり、自身のマレビトであり、久世家を調査しに来ていた民俗学者・柏木秋人を心から愛していた彼女は大切な息子の要が死ぬ事を恐れて何処の誰とも知らぬ家の人間にこっそり要を預けて命を助け、夫の末路も知らずに秋人が再び自分の元に来るのを待ち続けた。しかしそんな母の願い空しく零華を愛してしまった要は父と同じ運命を辿る事になる。怨霊名・髪を梳かす女
乙月 要(おとつき かなめ)
夜舟の孫で鏡華の息子。また久世家近隣の村で零華と共に育った幼馴染みでもある。予てから自身の出生に疑念を抱いていた要は都会で暮らしを落ち着けた後、自らの出自を探る為に村へ帰郷する。やがて互いに惹かれ合うようになった零華には都会暮らしの合間にも欠かさず手紙を送り近況を報告、仔細を知らぬ筈の久世の宮や儀式に関する予知夢を見た事も綴っている。久世の家の調査を進めていくうち、夢枕に立った巫女の女性が零華だと直感した要は一目でも良いから最期に会いたいと願い、鎮女の一人・雨音の手引きで久世家へ侵入。久世の宮の地下最深部において零華と再会を果たしたものの、緊急事態を察した夜舟の手によって零華の眼前で殺されてしまった。
久世 夜舟(くぜ やしゅう)
東北の寒村にある久世家の主。『零』シリーズ初の女主人。儀式の断絶を防ぐ為に孤児となった零華を引き取り巫女にした。家のしきたりに厳格で、家を守る為ならたとえ自分の孫を手に掛ける事も厭わない。怨霊名・久世家当主
久世 雨音(くぜ あまね)・水面(みなも)・時雨(しぐれ)・氷雨(ひさめ)
巫女の世話係にあたる鎮女と呼ばれる幼女達。鎮女は代々幼い少女が四人組で務める事になっており、外界と接触を絶たれた巫女の周辺の世話をし、話し相手になり、最後には巫女を棘獄に繋ぎ止め、巫女の眠りが覚めぬように『咎打ち』をする役割を担っている。怨霊名・巫女姿の少女テンプレート:SpoilerH「最年長の氷雨は職務に忠実で淡々と仕事をこなす鎮女の先輩である。破戒によって広がった挟間を屋敷内に留めるための儀式として、既に穿たれた雨音を除く時雨・水面の二人を殺害した後、誰もいなくなった久世屋敷の中で孤独な最期を迎えた。時雨は己のしている事に罪悪感を感じ始めていたが最後まで職務を完遂した少女である。雨音の罰に対しても日記で「ごめんなさい」と謝っている。最年少の水面は鎮女になったばかりの少女で、幼さ故の残忍な心を持ち、人の四肢を穿って死に至らしめる事にまだ罪悪感を覚えておらず、むしろ楽しみにしている節がある。そして雨音は四人の中で唯一鎮女の職務に嫌悪を覚えていた少女で、要の異父妹でもある。零華がしきりに会いたがる恋人が兄・要である事を知った彼女はせめて最期だけは、と要を男子禁制である久世の宮の中枢部へ案内してしまう。一度は兄を送り出したものの兄の安否を気遣った雨音は自身も終ノ路へと引き返すが、奈落で待ち受けていた3人の鎮女に捕まり、罰として四肢を穿たれ死んでしまった。尚雨音は仲間達の霊と共に深紅の前にも現れて零華と兄を助けてくれと懇願する。

主題歌

  • 聲 - 作詞・作曲・歌:天野月子 編曲:戸倉弘智

零〜月蝕の仮面〜

テンプレート:コンピュータゲームの新製品 2008年1月30日に開催された「テクモプレスカンファレンス2008ウィンター」にて発表された。 本作はテクモと任天堂の共同プロジェクトで、発売元は任天堂となる。テクモが開発、任天堂が監修を担当。グラスホッパー・マニファクチュア須田剛一がディレクターとして参加する。

関連ゲーム用語

射影機
異界研究者である麻生邦彦博士により作り出された、ありえないものを写し出すことのできるカメラ。麻生博士は独自の理論をもとに異界をとらえる様々な機械を発明したが、彼の失踪によりその技術は失われその発明品も行方知れずになった。
射影機には霊や残留思念を写しだす能力のほか、撮影することで怨霊を退ける除霊能力をもつ。さらに雛咲家に伝わっていた射影機では、怨霊を射影機内に封印することも可能であった。しかしながら、射影機で霊を撮影することは使用者の心が霊によって蝕まれることでもあり、その使用者が悲劇的な末路を辿ったケースも少なくない。射影機の除霊効果は使用者自身の霊力や撮影に使われるフィルムによって異なるが、強力なフィルムほど数が少なく貴重である。また使用者によっては、さまざまな強化レンズを装備することで射影機の特殊な効果を発現させることができる。
儀式と災厄
シリーズ全作品に共通して、人里から隔絶された環境で行われていた秘密の儀式が登場する。これらの儀式は人間を生贄とする非常に残酷なものであり、死者の世界に関わる危険な儀式である。これらの儀式が失敗した時、大きな災厄が起こり、儀式に関わる者や近隣の住人のほぼ全てが死に絶えることになる。主人公達が探索する廃墟は、儀式の失敗によって無人となった呪われた土地であり、遭遇する物語は失敗した最後の儀式の再現である。
黄泉の門
作品によって呼称や形態は異なるが、主人公達の最終目的地は一貫して冥界との境界として祀られる禁忌の場所である。幾人もの人物がその調査にむかい命を落としており、正確な話は伝わっておらず断片的な伝承が残るのみである。だが、先達の残した記録や成果は確実に主人公の助けとなる筈である。たとえ当の先達が怨霊に成り果て、主人公の前に立ちはだかっていたとしても…。

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