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2008年7月4日 (金) 17:57時点における版
MOTHERシリーズのPSI体系は、任天堂のロールプレイングゲーム・MOTHERシリーズ中に登場するPSI(サイ)と呼ばれる超能力を体系別にしたものである。
本項目では、断りのない限り超能力をPSIと呼んで述べる。
作中の超能力の位置付け
ドラゴンクエストシリーズの「呪文」やファイナルファンタジーシリーズの「魔法」のように、MOTHERシリーズでの魔法に値する概念はPSIと呼ばれる超能力によって実現される。本シリーズではPSIを使うことは「超能力をこころみる」という。味方のキャラクターのみならず、敵キャラクターにもPSIを使用するものが存在する。本シリーズの重要な要素の一つであり、世界観を成す上で非常に重要な役割を担っている(特にMOTHERとMOTHER3ではPSIがストーリー上重要な地位を占める。MOTHERはテレパシーが重要なPSIにあてられ、MOTHER3はマジプシーと呼ばれるキャラクターがPSIを習得するうえで重要な役割にあった。MOTHER2はPSIについての説明はなく単に魔法に値する概念としての戦闘手段の位置づけの色が強い)。
PSIの種類は、大きく分けて以下の3つである。
- こうげき - 攻撃系のPSI。
- かいふく - 回復系のPSI。
- アシスト - 敵のステータスを変化させるなど、攻撃補助を行うPSI。
作品・PSIごとに消費PP(Psycho Point:サイコポイント)が定められており、PSIを使用するとその者のPPが消費PP分減算される。キャラクターの残りPPがPSIの消費PPよりも少ないと、PSIを使用することはできない。本作ではPPは自然回復しないため、「マジックタルト」などの回復アイテムを使うか、ホテルに泊まるか、温泉に入るか、「サイマグネット」というPPを吸い取るPSIなどで回復させる必要がある。
PSIは、経験値をためてキャラクターのレベルが上がることにより覚えるが、イベントで覚えるものがある。
PSIの多くは、その形態に応じて比較的わかりやすく名前が付けられていて、強さはギリシア文字(α、β、γ、Σ、Ω)で表される。シールド系のPSIを除いては、右側にあるギリシア文字ほど効果が強力である。
本編に登場した超能力
以下は、MOTHERシリーズにおけるPSIを体系別に解説する。PSIの名前の横の括弧内の数字は登場した作品で、全作品の場合は全作品と示している。系統は各作品において異なる。
攻撃系PSI
戦闘時に使用して、敵にダメージを与えるPSI。この系統のPSIは特に記述の無いもの以外はα、β、γ、Ωの4段階で強さを表している。
- PKビーム(1のみ)
- 光線を放出して敵を攻撃する。α、β、γは普通の単体攻撃、Ωのみ全体攻撃が可能。またγはダメージではなく一撃で倒す効果。生物系の敵に対してのみ有効で、ボス戦、ロボット系には通用しない。終盤の敵はγを多用してくる。γはアイテム「フランクリンバッヂ」で敵に跳ね返すことができる。
- PKファイヤー(ファイアー)
- 指先から炎を繰り出し、敵全体にダメージを与える。1のΩのみ敵全体を一撃で倒す(敵は使用してこない)。2以降では前列か後列の敵全体にダメージを与える。また、3では稀に「燃え」状態にして数ターン追加ダメージを与え続ける。3のみ表記が「PKファイアー」である。
- PKフリーズ
- 敵のまわりに冷気をおこし、ダメージを与える。1のγには敵を残りHPが数ポイントの「ききてきじょうたい」にする効果があり、Ωでは全体攻撃が可能。2以降ではすべて単体攻撃になったが、威力が高いだけでなく敵を固まらせて数ターン動けなくする追加効果がある。
- PKサンダー
- 雷を落とす。1ではα、βは単体攻撃、γは全体攻撃。また、Ωは存在しない。2以降では段階に応じて攻撃回数が異なる単体攻撃。α、β、γ、Ωの4段階で、段階が上がるにつれ、攻撃回数が1~4回と増加していく。対象は指定できず、誰にも当たらないことがある(2では敵の数が少ないほど外す確率が大きい)。3では「しびれ」の追加効果がある。2以降ではシールド・サイコシールドを一撃でかき消す効果がある。
- 2以降では敵のPKサンダーは「フランクリンバッヂ」というアイテムで跳ね返すことが出来る。1の「フランクリンバッヂ」とは効果が違うので注意。
- PK****(2のみ。デフォルトは「キアイ」)
- 主人公または主人公に大いに関係のある敵専用。精神集中による念動波を繰り出し、敵全体に大ダメージを与える。ゲームを始めると入力を求められる「カッコイイもの」がこのPSIの名前になる。
- 属性に関係なく一定のダメージを与える。また、稀に攻撃が外れる事がある。
- PK****(3のみ、デフォルトは「LOVE」)
- 主人公または主人公に大いに関係のある人物専用。マジプシーも使うことができない強力なPSIで、敵全体に属性無視の大ダメージを与える。ゲームを始めると入力を求められる「カッコイイもの」がこのPSIの名前になる。ストーリーの進行に応じて習得し、物語において非常に重要な位置を占める。
- PKスターストーム(2、3)
- 無数の星を落下させて敵全体に属性無視の強力なダメージを与える。2ではαとΩの2段階がある。3では1段階のみだが、威力は2のΩに相当する。
- ストーリーの進行によって主人公以外のキャラが習得する。
- PKフラッシュ(2、3)
- 主人公専用。激しい光を放って敵全体に状態異常を引き起こさせる。まれに一撃で敵を倒すことがある。攻撃段階は2が4段階、3では1段階。2では上級になるにつれて嫌な状態異常を引き起こしたり一撃で敵を倒す可能性が高くなる。敵も使用するPSIの中でもっとも悪質なものの一つ。
- PKグラウンド(3のみ)
- 大地震を起こして敵単体に対象をランダムにして少量のダメージを連続して与え、敵が転ぶことがある。HPの最大値に応じてダメージが決まるので、HPが高ければ高いほど与えるダメージも大きい。空を飛ぶ敵には効かず、攻撃段階は1段階のみ。これを使用する敵はいないが、これと同じ効果の技を使ってくる敵がいるので注意。
- オソヘ城のヒメ(クマトラ)がレベルアップで習得する。
回復系PSI
戦闘時・マップ上で体力(HP)・精神力(PP)・状態異常を回復させるPSI。この系統のPSIは特に記述の無いもの以外はα、β、γ、Ωの4段階で強さを表している。
- ライフアップ
- 対象のHP(ヒットポイント)を回復させる。主人公のほかにもう1人術者がいる作品が多い。γまでが単体(うちγは全回復)、Ω(1ではπ、Ω)は全体を対象とする。なお、1のΩは全体を完全回復させる。回復量は作品により異なり、2が一番多く、1が一番少ない。
- ヒーリング
- 状態異常を治す。主人公のほかにもう1人術者がいる作品が多い。1では特定の状態異常を治すもので、α、β、γ、πの4種類存在した。2からは段階ごとに治せる状態異常が異なり、γとΩは意識不明(戦闘不能状態)から復活させる。さらに3ではΩは全員を対象としたものになった。
- スーパーヒーリング(1のみ)
- 意識不明(戦闘不能状態)から復活させる。2以降はヒーリングに統合された。
- サイマグネット
- 敵からPPを吸い取って自分のものにする。1では単体攻撃のみ。2ではαとΩの2段階で、αは単体、Ωは全体が対象。
- リフレッシュ(3のみ)
- 味方全体が対象で、かけると以後数ターンは毎ターン、行動前にHPが少量回復するようになる。
アシスト系PSI
戦闘中に使用して、味方を有利にしたり、敵を不利にしたりするPSI。この系統のPSIは特に記述の無いもの以外はα、Ωの2段階で強さを表していて、αは単体、Ωは全体が対象である。また「2」の一部の技のみΣがある。
- パワーシールド(1のみ)
- PKビームγ以外の攻撃を全て跳ね返す。味方単体が対象。一部のボス戦では使用不可能。
- ダークネス(1のみ)
- 敵を暗闇に包み込んで攻撃を当りにくくする。2以降の「なみだ」状態にするPSIにあたる。
- シールドオフ(1のみ)
- 敵のシールドを消滅させる。2以降は特定のアイテムがその役割をもつことになる。
- クイックアップ(1のみ)
- スピード(すばやさ)を一定量アップさせる。味方単体が対象。
- サイコブロック(1のみ)
- 敵のPSIを封じこめることができる。2以降は特定のアイテムがその役割をもつことになる。
- オフェンスアップ(オフェアップ)
- オフェンス(攻撃力)を一定量アップさせる。1は一定量に達するまで使用可能。2では重ねがけ可能、3では重ねがけするごとに効果量が半減していく。
- オフェダウン(3のみ)
- オフェンス(攻撃力)を一定量ダウンさせる。重ねがけするごとに効果量が半減していく。
- ディフェンスアップ(ディフェアップ)(1、3)
- ディフェンス(守備力)を一定量アップさせる。1は一定量に達するまで使用可能。3では重ねがけするごとに効果量が半減していく。2では特定のアイテム(ex.ディフェンススプレー)がその役割を持つことになる。
- ディフェンスダウン(ディフェダウン)
- ディフェンス(守備力)を一定量ダウンさせる。重ねがけ可能だが、3では重ねがけするごとに効果量が半減していく。
- さいみんじゅつ
- 相手の神経に働きかけて敵を「ねむり」状態にする。1では単体攻撃のみ。2、3はαが単体、Ωが全体になっている。IQが低いほど効きやすい。
- パラライシス
- 相手の神経に働きかけて敵を「しびれ」状態にする。1では単体攻撃のみ。2、3はαが単体、Ωが全体になっている。
- ブレインショック
- 相手の神経に働きかけて、1は敵単体を「こんらん」状態に、2、3は敵を「へん」状態にする(具体的な効果は同一)。2はαが単体、Ωが全体になっている。
- 「さいみんじゅつ」と逆にIQが高いほど効きやすい。「2」では意外な敵に効く。
- ブレインサイクロン(1のみ)
- 敵全体を「こんらん」状態にする。2以降はブレインショックに統合。
- シールド(2、3)
- 物理攻撃のダメージを半減するシールドを貼る。2ではα、Σ、β、Ωの4段階が存在する。β、Ωは軽減した分のダメージを相手に跳ね返す。α、βが単体、Σ、Ωが全体に有効。3では効果がダメージ半減に一本化されてα、Ωの2段階のみになった。3回ほど通常攻撃を受けるとシールドが消えるほか、シールドキラー(シールドとりがみ)というアイテムを使用すると即座にシールドは消滅する。またスマッシュ(SMASH)攻撃を受けると、すぐにシールドは消滅する。
- サイコシールド
- 1ではあらゆるダメージを半減するシールドを貼る。αが単体、βが全体になっている。
- 2以降ではPSI攻撃のダメージをかき消すサイコシールドを貼る。2ではα、Σ、β、Ωの4段階が存在する。α、Σはかき消し、β、Ωはそのまま相手に跳ね返す。α、βが単体、Σ、Ωが全体に有効。3ではシールドと同じく、PSI攻撃を半減する効果に変更された。α、Ωの2段階のみ。3回ほどPSI攻撃を受けるかシールドキラー(シールドとりがみ)を使うとシールドが消滅する。
- カウンター(3のみ)
- 物理攻撃のダメージを半減し、減らした分を相手に跳ね返す反撃のシールドを貼る。α、Ωの2段階あり、それぞれ2のシールドβ、Ωにあたる。
- サイコカウンター(3のみ)
- PSI攻撃のダメージを半減し、減らした分を相手に跳ね返す反撃のサイコシールドを貼る。カウンターの対PSI攻撃版で、同様にα、Ωの2段階ある。
- じげんスリップ(1のみ)
- 消費PPは多めだが、 戦闘から必ず脱出することが出来る。ラスボス戦やRシリーズなどのボス戦では無効。
その他のPSI
マップ上を瞬時に移動したり、イベントで使用したりするPSI。
- テレパシー(1のみ)
- 心の声を聞いたり、逆に発する事ができる。動物や赤ん坊など喋れなくても会話をすることができる。
- 特定のイベントで使用することがあり、これを使わないとゲームをクリアできないイベントもある。初代MOTHERで最も重要なPSI。
- 「2」ではコマンドとして使うことはできないが、女の子(ポーラ)が特定のイベントで使用する。
- テレポーテーション(1,2。2ではテレポート)
- イベントでのみ習得する。今まで行ったことのある場所へ移動する。移動には助走が必要。十字キーで助走の方向を変えることが出来る。障害物にぶつかると黒焦げになるが、ダメージを受ける訳ではない。
- 2ではα、βの2種類。αは1のテレポーテーション同様、前方に向けて走り出し、βはその場をグルグル回りだし、徐々に回る輪が広がって行く。
- PKサヨナラ(2のみ)
- MOTHER2のエンディングにおいてプーが使用したPSI。プレイヤーが使用する事はない。
- テレポートの直後、何もないところからプレゼントボックスを出現させるなどの効果を確認することができる。
大乱闘スマッシュブラザーズに登場した超能力
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでは、2の主人公ネスと3の主人公リュカががプレイヤーキャラとして登場しており(ネスはシリーズ全作品、リュは3作目の『X』に登場)、必殺ワザとしてPSIを用いる。ただ、対戦アクションゲームという性質上、原作とは全く持って性能が異なり、名前だけが原作と同じの全く別の攻撃と言ってよい。なお、PKフラッシュ以外は本来原作で主人公は覚えられないワザである。 また、必殺ワザ以外の超能力攻撃や超能力で強化した体術でも「PK~」と付いているものがあるが割合する。
- PKファイヤー
- 稲妻型の弾を前方に飛ばし、当たると火柱を発生させる。
- ネスは火柱がしばらく残り連続ヒットし、リュカは火柱がすぐになくなり火柱に当たった相手を大きくふっとばす。
- PKサンダー
- プレイヤーが自分で進行方向を操作する電撃弾を放ち、弾を誘導し自分に当てると反動で当てた反対方向に強力な突進攻撃を放つ(「PKサンダー体当たり」という)。
- 弾は、ネスは弾速が速いが小回りが利きにくく高威力の単発ヒットで、リュカは弾速が遅いが小回りが利き威力は低いが貫通性能があり連続ヒットする。
- 体当たりは、ネスは高威力で単発ヒットし、リュカは低威力で連続ヒットする。
- サイマグネット
- 特殊なフィールドを張り、飛び道具のエネルギーを吸収し自身のダメージを回復させる。吸収できるのは火炎や電撃、ビームなどエネルギー波に限られ、物の投擲や爆発物など実体のあるものは吸収できない。
- ネスは全身から、リュカは手からフィールドを発生させる。そのためリュカは後ろから吸収できる範囲が若干狭いが、その代わりフィールド解除時に攻撃判定が出て解除時の隙を補うことができる。
- PKフラッシュ
- 2作目『DX』以降のネスのみ使用。
- ある程度左右に操作できる緑色の光弾を作り、ボタンを押しっぱなしでエネルギーを溜め威力と攻撃範囲を高め、放すと炸裂する。限界近くまで溜めた際の威力と攻撃範囲はかなりのものだが、弾速が遅く、溜めてる最中攻撃を受けたり弾が壁に接触したりすると弾が消えてしまうので使うのは難しい。
- PKフリーズ
- リュカのみ使用。
- 操作はネスのPKフラッシュとほぼ同じだが、こちらは冷気エネルギーを放ち、炸裂時の威力は低いが相手を凍らせ動きを止める事ができる。また、PKフラッシュよりも弾の移動速度がかなり速く、そのため飛距離も長い。
- PKスターストーム
- 『X』で登場し、「スマッシュボール」というアイテムを取ると使える各キャラ固有の大技「最後の切りふだ」として使用。上空からステージ中に無数の流星を降らせる。
- ネスは青い流星が末広がりに降り、流星の密度が低く当てにくいが威力は高い。リュカはオレンジの流星が垂直に降り、流星の密度が高く当てやすいが威力は低い。
関連項目
- ドラゴンクエストの呪文体系
- ファイナルファンタジーの魔法形態
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